レバレッジメモ: バルタサル・グラシアンの成功の哲学—人生を磨く永遠の知恵

人を待っていて本屋でパラパラめくったバルタザール・グラシアンの本が、いろいろ歯に衣を着せていない感じで面白かったのでアマゾンで買ってみた: バルタサル・グラシアンの成功の哲学—人生を磨く永遠の知恵

やたらと人を褒めるのは賢明ではない。それは真実に背くことだし、判断力を疑われる。褒めすぎもうその一種である。

気をつけねば。後輩とかに低コストで与えることのできるベネフィットは賞賛だと思っていたけど、過剰になると逆にお互いの足をひっぱるんだな。

人の中傷は無視せよ。黙殺で答えることが懸命だ。身の潔白を明かそうとしてペンの力に訴えてはいけない。書かれたものはいつまでも残るから敵を懲らしめるどころかその名を留める手助けをしている。忘却に勝る復讐はない。

人と争ってはいけない。公正に戦うものなどほとんど居ないのだ。敵は使えるものなら何でも利用しようとし、本来使うべきでない卑劣な手まで繰り出してくる。そんなことしても何の得にもならないのだが、仕返しができたと言うさもしい満足感が得られれば彼はそれで十分なのだ。

人の不幸を願うものは相手が成功するとくやしがるのだ。自分の成功をあいての毒にするのが最も巧妙な罰である。

失うもののないものと戦ってはいけない。仮に相手を打ち負かしてもなくしたものを取り返すことはできない。

スルー力」か。あと失うもののない匿名の誰かと戦ってはいけないんだな。戦う労力を自分の業績を積み上げることに使うべき。

以下未整理のレバレッジメモ:



頑固者は恐ろしく無知で、その為正論にも反駁し、自らの利益を顧みることなく戦いを挑む。

嫉妬心から他人を排斥することはよくあること。嫉妬はどんな優れたものにも欠点を見出す。それで自分が慰められれば満足なのである。わざと不注意な行動(無分別な行動ではない)をして嫉妬心の矛先をそらせ。

人々に賞賛されることは立派、でもそれよりも愛されることの方が重要。相手の好意はこちらから施した恩恵しだい。

賢人は相手が誰であれ敬意を持って接する。どんな人にもよいところを見出すからである。愚か者は誰かれ構わず軽蔑する。それは無知のせいである。

偉人と呼ばれる人間にも欠点はある。彼が名をなしたのはその欠点があったからではない。しかし人々にはそれが分からない。媚びへつらって欠点まで真似ようとする。偉人の場合は見過ごされることでも、凡人の場合は欠点として嫌われる。

相手に合わせよ。自分と似ているものには誰しも好意を持つからである。

悪評はあっという間に広がる。噂を一つ未然に防ぐ方が、後で汚名をそそぐより10倍も楽。

自分と張り合い、打ち負かそうとする者がいることは幸せだ。それはこちらの価値を認めてのことである。

上手に話そうと思ったら、手短に言うことである。良い話は簡潔であればさらに良くなる。つまらない話も簡潔であればさほど悪くはならない。自分の話であいてをうんざりさせてはいけない。特に相手が一流の場合はそうだ。彼らは多忙を極めている。

自分のことを話してはいけない。どうしても自慢話か自己卑下になる。その場にいる人の事を話すのも賢明ではない。結局はお世辞か悪口をいうことになる。

不満を口にすれば不評を買う。愚痴をこぼしても人は同情してくれない。愚痴は、あらたな愚痴の種を呼ぶ。自分の受けた親切を人前で褒める方がはるかに賢い。

何でもかんでも反対していると愚かで口うるさいやつだと思われる。反対の根拠を見つけ出すのは利口な人間にしかできないことだが、頑固者は愚か者である。

善良な人は何事もおおめに見ることができる。

人間として本物になることが名声を得る正道であり、人間性を高める努力をすることだけがその近道となる。

どれほど相手と親しくしても守るべき礼儀はある。友人にも秘密にしていることの一つや二つはある。息子でさえ父親にすべてを話すわけではない。

相手の言う事をあからさまに疑うのは、相手を侮蔑することになる。

嘘つきは二重の苦しみを舐める。人を信じられないだけでなく、人からも信じられない。賢人は何を聞いてもひとまず判断を保留する。

人に頼られるには、相手の要求をすべて満たさないことが重要。期待は心に長く残るが、感謝はすぐに忘れ去られる。絶えず自分を頼らせ、要求を満たしきることなく依存関係を維持すること。

人を怒らせるには相手の言う事に反論するのが一番。怒りに我を忘れると本音が漏れる。相手の言う事に慎重に反論してみればよい。そうすると相手は疑念を晴らすために詳しい話をしてくれる。

からかわれるのは構わないが、からかってはいけない。ジョークほど細心の注意とテクニックが必要なものはない。

見せかけだけの人間はすぐに話すことが無くなる。絶えず溢れでる知識の泉で潤さなければ言葉はひあがってしまう。

欠点を恋人にするな。誰にも欠点はあるが、その欠点に愛着を持ってはいけない。どんなに愛着があってもその欠点をなくしてしまうべきだ。

聡明な言葉は頭脳の明晰さ、正しい行いは心の高潔さを示す。この二つが真の人間である証となる。道理をわきまえた話をし、尊敬されるような行いをせよ。

けっして怒ることがないのは美徳ではない。怒るべき時には怒る。カカシが何もしなければ小鳥も馬鹿にする。にこにこ笑ってばかりいるのは愚か者だけである。

口を慎め。言葉は野獣である。一度解き放つと連れ戻すのは難しい。

自分の最も大きな欠点を知れ。その欠点を咎めるものに負けないくらい、自分でもその欠点に注意を払え。そして克服せよ。

口数が少ないことは才能あるものの印である。沈黙は自制心から生まれる。寡黙なものこそ真の勝者である。胸の内を明かした相手には行った通りのことをして見せなければならない。相手が多いほどその負担は重くなる。

人間としての完成を目指せ。完成した状態で生まれるものは誰もいない。

知らないことを始めるときは最も確実な道を取れ。独創的とは言われないが、堅実だとは言われる。何も知らずに危険を冒すのは破滅の道。v.s. 人に先んじてこそ道は開ける。他の条件が同じなら最初に行動を起こしたものの優位は揺るがない。非凡な人は新しい手段を考え出して名をはせる。ただし、その冒険は思慮分別を働かせてひたすら安全に進めるのだ。

なかなか決心ができず他人の後押しを必要とする人がいる。往々にして判断に迷っているのではなく実行力がないのだ。

自分の過失と心中するな。愚かな行為をしても初めのうちは不注意で済まされる。愚かなことを何時までもやめないでいると本当に愚か者だと思われてしまう。

頑固な人間くらい有害なものはいない。物事が正しく見えていない証拠である。

期待をつなぎとめるコツは、力を加減し、知識を小出しにして、成功へ向けて少しずつ進んでいくことである。

どれほど優れた才能に恵まれていてもそれを鼻にかけてはいけない。仕事を立派に仕上げたことで満足すべきであって、あれこれ言うのは人に任せれば良い。

世間には風変わりな趣味を持つ人がいる。知恵ある人なら見向きもしないものに手を出す。奇抜であれば何でもよい。そのおかげで世間に名を売るが、物笑いの種になっているだけで声望を高めているわけではない。

選択する能力が人生を左右する。

多くの人間から多くのことを吸収し、蓄えておくことだ。大勢の意見を自分の考えとして話すことができる。他人が流した汗のおかげで賢人の誉れも手に入る。

愚者はなんでも急いでやろうとして障害物で失敗する。賢者はあれこれ躊躇って能率が悪いがために失敗する。迅速は幸福の母。ゆっくりと急げ。

一度のチャンスにすべてをかけてはいけない。

人は大半の時間を情報収集に費やしている。自分で得られる知識は僅かなので、他人を信頼している。しかし真実そのものが耳に届くことはない。どうしても感情がまとわりついてしまう。話の中の偽りや矛盾に目を光らせよ。

この世では完成されたものだけが注目され、成功を収めたものだけが長く名声を保つ。一度やり始めたことは最後までやり通せ。やる価値のあることなら成し遂げる価値もあるはずだ。その価値がないならなぜ着手したのか。獲物を追跡するだけではなく、仕留めろ。

愚かなことをするのが愚者ではない、愚かさを隠しきれないのが愚者だ。人は誰しも過ちを犯すものだが、賢人はそれを隠す。愚者は自分がおかしそうな過ちまでしゃべる。

愚か者は頑固であり、頑固のものは愚かである。判断を誤りやすいものほど自説に固執する。自分が正しいと思うときでも譲ってやればよい。どちらが正しいのかはいずれわかる。その奥ゆかしさは賞賛されるだろう。

優れた業績を上げたものの後をついではならない。前任者と同等の仕事をするだけでも2倍の労力がかかる。

自分の力を過信してはいけない。望みは大きく、しかし常に最悪の場合を想定せよ。ほんの少し上を狙え。手に届きそうにない目標を掲げてはならない。

自分のポストに求められる以上の大きな人間となれ。

上司を出しぬいてはいけない。人の上にたつものは自分を助けるものには頬笑むが自分を追い越そうとするものには冷たい。

功あるものは時をおかずに報いよ。

仕事の報酬は早めに渡せ。前もって報酬を渡されると仕事に対する義務感が生まれる。ただし品性の下劣な連中に報酬を先渡すれば喜んで怠けるだろう。

成功の名誉はすべて上にたつものに与えられる。失敗の非難が上のものに集中するのと同じことだ。部下は慎重に選べ。

学ぶところの多いものと付き合え。友との会話を通じて洗練された教養を身につけるのだ。

友が期待をかけてくれるのは自分にそれだけの価値があると言うことだ。この世では友と生きるか、敵と戦うかのどちらかしかない。一二値ひとりずつ友達を作ることだ。親友でなくとも、自分を慕うものでもよい。上手に選べば信頼に値する友人が何人かは残るだろう。

愚か者と付き合ってとばっちりを受けるな。愚か者を見分けられないのは愚か者である。愚か者であるとわかってなお付き合うのはさらに愚か者である。

近寄りがたい人だと思われてはいけない。人は完全無欠ではないので他人の助言が必要になる時がある。人の言葉に耳を傾けないのは愚か者である。窮地に陥っても誰も助けてくれないので破滅の道を進むのだ。

友人と付き合うときは彼が最も手ごわい敵となる場合のことも考えるべき。

卑劣な手を使って戦ってはいけない。たとえ相手を打ち負かしたとしてもそれは敗北である。友人とたもとを分かって敵同士になったとしても、親しい時に知った事実を武器にしてはいけない。

悪意に満ちた他人の瞳を鏡にせよ。お世辞は憎しみよりも危険。悪意の目にこそ真実が映る。それを見て欠点を改めるのだ。

怒りを抑える方法を身につけよ。頭に血が登っている時には自分は逆上していると自覚すること。

人と意見が衝突したときは慎重に進めよ。意見は控えめに言え。

真実は扱い方一つで甘くも苦くもなる。慎重に言葉を選んで礼儀を失することのないように気をつけよ。人に忠告するときには過去の事例を引き合いに出して真実を悟らせるのも手。トップには真実をそのまま伝えるべきではない。飲み込みやすいようにオブラートで包む必要がある。

人の頼みを一言のもとにはねつけてはいけない。好意を示せない分を礼儀正しさで補う。常にいくらかは希望を残して置いて、拒絶の苦味を和らげるべき。決してなにからなにまで拒絶してはいけない。

人気のある物に歯向かってはいけない。大勢の人に喜ばれ、誰もが価値を認めているものには何かしらよいところがあるはずだ。

内面を磨くとともに外見にも気を配れ。世の中には外見に騙される人間のほうが圧倒的に多い。優れた才能を持つものがそれを人目に印象づける工夫をすれば世評はさらに高まる。眼に見えないものはこの世に存在しないも同じ。

余計なことを口に出すな。自分を出し惜しみせよ。決してでしゃばってはいけない。求められて出かけるのなら歓迎される。呼ばれても居ないのに顔を出してはいけない。自分が主導権を握らなければ気が済まないものは、失敗すれば憎まれるし、成功しても感謝されない。

人の美点を見つけて褒めよ。ある人の良い面がわかると他の人の同じ点にもすぐ気づくようになる。目を肥やして人のよいところを見逃さないようにすること。人を褒めるのは格好の話題づくりになる。それを歯全く反対のことをする人もいる。いつも人のあら捜しをし、その場にいない人の悪口を言って歓心を買おうとする。

全力の攻撃よりタイミングのよい救援の方が世に重んじられる。全力を出してはいけない。不測の事態に対処できるように、常に余裕は残しておけ。

不運はたいてい愚行の結果として現れる。不運ほど感染力の強いものはない。迷いが生じたときは賢明な人や思慮深い人のそばにいろ。

ツキのない時を見極めよ。頭も日によって冴えている時とそうでないと気がある。

素晴らしい人生を生きるため、まずは故人との会話に時を過ごせ。次に今を共に生きる人々と語り合え。第三に自分と対話せよ。

自分が持っている得に優れた資質が何かを理解せよ。それを伸ばせば、他の資質も育ってくる。

生きる上で最も大切なのは忍耐である。愚か者の振る舞いに目を瞑るのはよほどの忍耐が必要である。そういう時こそ忍耐を鍛える絶好の機会だと考えよ。

俗受けを狙ってはいけない。思慮ある人間は大衆の喝采など欲しがりはしない。

優れた人間を自分の周りに集めよ。その恩恵は驚くほど大きい。習慣、趣味、知識までもが知らず知らずのうちに自分のものになる。せっかちはのんびり屋を仲間にすればよい。そうすれば穏健で節度をわきまえた人間になれる。

目標とすべき偉人を一人心に決めよ。真似をするのではなく、競い合え。

考えるときは少数派、話すときは多数派であれ。人前で話される言葉だけを聞いていては誰が賢人か分からない。賢人は本音を語らず、こころの中で罵りながら、愚かな大衆に話を合わせるからだ。思慮あるものは自分の意見を否定されるのも、人の考えに意義を唱えるのも避けようとする。それゆえ賢人は口をつぐんでひきこもり、胸の内を明かすのはもののわかった極少数の人々を相手とするときだけに限られるのである。

何も望むことがないのは幸福だが、将来に希望がないという不幸でもある。人の功績に報いるときも、相手をすっかり満足させてはいけない。

なにか問題が起きたときには自然に収まるのを待て。人々の気持ちが動揺している時には下手に手を出すとかえって悪化する。

真剣に考えなければならない問題はそんなにたくさんはない。ほっておけばいいことを真剣に悩むのは愚かである。

誰に対しても礼儀正しくすること。礼を持って遇するものは礼を持って迎えられる。

危険を避けることは勇気ある行動だ。

激しい怒りに我を忘れてはいけない。悪知恵に長けたものはわざと人を逆上させるような罠を仕掛ける。

価値観は時代によって変化する。今何が優勢か見極めよ。

自己満足は愚者の幸福。

人が自分のものと呼べるものは時間しかない。誰にでも時間だけは平等に与えられている。人生は貴重なものだ。その時間を機械的で変化のない仕事に費やすのは愚かだし、自分の手に負えない仕事で悪戦苦闘するのも馬鹿げている。仕事が重荷になってはいけないし、その為に悩むようではなおいけない。そんなことでは人生が台なしになるし、精神が病んで生きることさえ苦しくなる。

自分の目標に向かって、そこに至る道を日々考えよ。

秘密は人に打ち明けない方が良いが、そうせざるを得ないなら相手が人に漏らさないように仕向けるべきである。

人の意思を変えさせようとするなら翻意を促しているだけではダメである。その人の求めて止まぬ快楽を見極めよ。人を衝き動かす一番の同期を探り当てるのだ。

目上の者とは秘密を共有するな。真の自分をしる者が目の前にいることは目障り。

不幸な人に同情するあまり同じ不幸に陥ってはならない。

美酒は一口だけ飲ませよ。良いものは少なければ少ないほど価値が増す。その味を存分に知ったものは二度目からはあまり嬉しい顔をしなくなる。望むだけ喜びを与えるのは危険である。

まだ未熟でこれから成長して行こうというときは優れた人と交わるのがよい。世に認められるようになったら凡人と交わるのがよい。主役をはる人間が近くにいては自分は二番手になってしまう。

何事もうまくはいかないし、万人が満足することもない。泥をかぶらせる生贄を探しておくべき。

持てる者は満足しているのでエサに食いつかない。持たざる者の方が利用価値が高い。

人の功績に報いるときは自分の手で。罰するときは他人の手で。

初めは譲る振りを見せて相手を話に乗せ、相手の利益を考えているフリをしながら自分の利益をはかれ。

人は難しい話をありがたがる。知識人は聡明なものを重んじるが、一般人は高尚そうに見えればそれでいい。

どんな場合も相手に合わせて話せば良い。愚者には愚者の言葉で話せばよい。

物事はすべて勇者の進む正道か策士の通る近道か、どちらかだ。正道を進めないなら近道を行け。

知恵のある者は人に分け与え、知恵のないものは人に求めよ。わからないことは知っている人に聞け。生きていくためには自分のものであれ借り物であれ知恵が必要である。

賢明なものは洗練された高尚な知識を蓄えて武装している。

才能は知性と品性によって開花する。愚か者は品性をないがしろにしてつまづきのもとを作る。