ドラッカーのポスト資本主義社会のレバレッジメモ:組織とは何か

今日はドラッカー名著集8 ポスト資本主義社会の第2章「組織社会の到来」からのレバレッジメモ。

我々は今日専門化しすぎている。特に学会がひどい。しかしその対策は教養科目を教えることではない。それでは上手くいかない。専門家は専門家であって初めて成果をあげる。 P.67

組織は目的志向の機関である。組織は道具である。他の道具同様、組織も専門化することによって目的遂行能力を高める。 P.71-72

オーケストラは250人の団員すべてが専門家である。団員全員が同じ楽譜を持って演奏する。 P.73

オーケストラという組織は、ひとつの目的に集中した、別々の専門知識を有した専門家の集まりである。オーボエ奏者はバイオリンを弾かない。

社会やコミュニティや家族は維持機関である。安定を求め、変化を阻止しようとする。これに対し、ポスト資本主義社会における組織は変革機関である。

組織の機能は、道具や行程や製品に対し、仕事に対し、そして知識そのものに対して知識を応用することである。したがって組織は常に変化・イノベーションをもたらす。イノベーションシュンペーターが言ったように創造的破壊である。

ちなみにヨーゼフ・シュンペーター

起業者がイノベーションを実行すると経済は撹乱されるが、その不均衡の拡大こそが好況の過程である。一方で、イノベーションがもたらした新しい状況において独占利潤を手にした先行企業に後続企業が追従して経済全体が対応し、信用収縮(銀行への返済)により徐々に均衡化していく過程を不況と考えた。

と、つまり「変化を起こさず経済が安定したとき、それは不況だ」と言っている。「人間には進歩か退歩かのいずれかがあって、その中間はない。現状維持と思うのは、実は退歩している証拠だ。」(森信三)も僕の好きな言葉の一つだ。

マルクスは、資本主義が社会にもたらす最大の変化は働くものの疎外であるとした。働く者は生産手段を持たなかった。ますます高価になる機会を資本家から貸し与えられて初めて生産することができた。 P.86

知識労働者たる従業員と生産手段の関係は相互依存的である。一方を抜きにしてはいずれも機能できない。 P.87

もちろん、ここでの知識労働者ってのは単なる「肉体労働者でない労働者」じゃなくて、余人に代え難い専門知識を持っている労働者って意味ね。

歴史上、働く者は監督される存在だった。これに対し知識労働者は監督されえない存在である。自らの専門について自分よりも詳しく知るものがいるようでは無益な存在である。 P.87

これで全体の20%に満たない277ページ中34ページの内容である。ジュース2本くらいの値段だ。