「10倍の生産性」をマフラーで例える
「プログラマは能力によって生産性に10倍の差がある」とかいうけどこれはプログラミングに限った話ではない。編み物未経験のXさんと既に何本もマフラーを編んだ経験のあるYさんとで、マフラーの最初の5列ぐらいを編むのに掛かる時間で勝負したら、Xさんが編み方の説明を読んでる間にYさんは編み終わる。技術とはそういうもの。
技術によって確かに生産性が10倍変わることはある。しかしゴール設定が「マフラーを編む」ではなく「イケメンZ君の気を引く」なら、Xさんはわざわざ不利なマフラー作りで勝負する必要がない。例えば手料理のほうが得意ならそれでチャレンジすれば良い。こうして生産性の差は消滅する。これが専門化の罠。
Yさんが手編み能力を持っているせいで「手編みマフラー」という選択肢に固執してしまい、冷静な判断を失うことがあるが、残念なことだ。さらには手編み能力を持たないという理由でXさんを見下したり「手編みマフラーには絶対的な価値がある」とか言い始めると、Z君はドン引きしてしまう。このように技術にはメリットもデメリットもある。技術は中立であり、メリットもデメリットもそれを使う人次第。
Twitterに投稿したら3部作の前2つだけRTされていたのでまとめて転載しておいた。
追記
「ピントがずれているように感じる」という指摘を頂いたので議論の内容をまとめておきました: 『「10倍の生産性」をマフラーで例える』への違和感 - Togetterまとめ