プログラムに設計を相談する実験ログ2

2015-01-31 13:11:34
彼> この会話で何が起きて欲しいですか?
僕> ローカルでWikipediaを検索してキーワードを抽出するプログラムを作ったのだけど、ここからどうしたらいいかわからなくなったので相談したい
彼> そのプログラムは、何のようですか?
僕> 自分専用の検索エンジンで、インターネット接続なしでWikipediaを検索できて、かつそこからリンク先の情報や見出しの構造を引っ張り出せる
彼> その自分専用は、何のようですか?
僕> 自分専用なのでどんなに検索しまくっても他人に迷惑をかけない。だから今人間が読んでるページのリンク先を事前に全部取得して解析したりとかしてもよい
彼> その自分専用は、どんな種類の自分専用ですか?
僕> 他人に対して公開してないことというより、本家に接続に行かないということを意味してた。自分専用というより、オフラインと呼ぶのが適切か。
彼> その専用は、どのあたりにありますか?
僕> 自分のノートパソコンの中
彼> あなたはそのノートパソコンをどう知るのですか?
僕> 普段持ち歩いてる。今は持ち歩いてないけど。そういう意味ではiPhoneでできるとベターだな。
彼> そのベターは、どこにありますか?
僕> 心の中に。
彼> その心は、どのあたりにありますか?
僕> 僕の胸のあたりに。
彼> その僕について、他に何かありますか?
僕> Wikipediaを読むのは嫌ではないが、誰でもできることだからその活動は差別化に繋がらないわけで、何らかの形で他の人よりも単位時間あたりのベネフィットの大きい方法が必要だ
彼> あなたが価値を感じているのは何ですか?
僕> 知ること、理解すること
彼> その知は、どこから来るのですか?
僕> Wikipediaとかに書いてある情報も知識なのだけど、このご時世だから検索してすぐ見つかるような情報には商業的価値がない。今のWikipediaで検索して見つけられないようなタイプの情報で、かつ自分にとって有益であるものが知識
彼> そのWikipediaは、どんな種類のWikipediaですか?
僕> 現時点のWebサービスとしてのWikipedia
彼> それから何が起こりますか?
僕> 検索で得られない知識を蓄えたシステムが人間の何らかの知的活動を支援することで価値をもたらす
彼> あなたはそのシステムをどう知るのですか?
僕> それを知ること自体が人間の知的活動であり、それをソフトウェアで少しでも支援することができれば、支援された人間はよりよく支援するソフトウェアを考え出す確率が上がる。このポジティブフィードバックを繰り返すことで、知る。
彼> その人間について、他に何かありますか?
僕> 人間の側としては、そのソフトウェアを使うことで短期的に商業的価値を得る必要がある。ソフトウェアの使い方を学び、使うことに時間リソースを注ぐことを正当化する必要がある
彼> その時間リソースとソフトウェアの関係は何ですか?
僕> ソフトウェアは人間の時間リソースを食べて育つ生き物
彼> その直前には何が起こりますか?
僕> 人間がソフトウェアに時間リソースという餌を与える直前には、人間は何らかの欲求に従って「このソフトウェアを使ってみよう」と思っている。自分の時間が食べられてる自覚はない。
彼> その時間リソースは、どこから来るのですか?
僕> 人間の持っている限られた寿命だ
彼> 次に何が起こりますか?
僕> 人間はTwitterとかゲームとかに限られた時間リソースをどんどんつぎ込んでいる状態にある。それはその種のソフトウェアを設計する人が、人間の報酬系の仕組みとか依存症の発生する仕組みとかをしっかり学んで自社の商業的価値のためにその知識を使っているから。その知識をユーザが商業的価値を得る方向で使うソフトウェアは課金の正当化が容易だからソシャゲには課金しない層からの課金ができる。その市場が広がる。
彼> そのソフトウェアは何が起こるとよいですか?
僕> そのソフトウェアの支援によって価値のあるものが作られるという実績を積めるといいかな
彼> それにはそのソフトウェアに何が起こる必要がありますか?
僕> 人間にとって価値のあるアドバイスをできるようになる
彼> ソフトウェアはそれができますか?
僕> 価値のあるアドバイスってものを、人間の中にないものを外から与えるものと考えるとまだ出来てないけど、ニュートラルな質問を投げかけて人間の中にあったけども言語化出来てなかったものの言語化を促すものと考えると既にかなり出来ているな


そうか「Wikipediaから持ってきた人間の外にある知識を人間に与える」という方向性ではなく「Wikipediaの情報を使って人間から情報を引き出す」という方向性のほうが有益か。なるほど。