バズワードとキャッチコピー

ある概念をすでに習得している人にとって、その概念にキャッチーな名前がつくことにはあまり意味がない。特にその名前が指す概念の定義が曖昧な場合は、議論を混乱させるものとして避ける傾向がある。そしてそれは「バズワード」と呼ばれる。

一方、その概念をまだ習得していない人にその概念を伝えることを考えよう。もちろん概念には名前を付けるべきだ。それもキャッチーな名前であることが好ましい。定義を厳密にしようとしてはいけない。まずは関心を持ってもらうことが大事。厳密な定義は詳しく知りたいと思った人だけが掘り下げればいいことだ。最初から厳密な定義を押し付けて敷居をあげることは間違い。具体的な特長や厳密な定義を語るのではなく、漠然とした「新しい」イメージを語る言葉である必要がある。そしてそれは「キャッチコピー」と呼ばれる。



バズワードを悪いもの」という印象があるが、バズワードをキャッチコピーとしてとらえるとその長所が見えてくる。技術者コミュニティの中ではバズワードが嫌われるとしても、技術者コミュニティの外には積極的にキャッチコピーを使うべきなのではないか。