TAGBOAT SUMMER AWARD 2009で入選しました!

追記:なんと審査員特別賞を頂きました!最終審査結果とインタビューの結果:アーティストの声


Make: Tokyo Meeting 03で下書きを展示していたVirtual Starが、@GALLERY TAGBOATで開催されていたTAGBOAT SUMMER AWARD 2009(TAGBOAT サマー・アワード2009)で入選しました!


Make: Tokyo Meeting 03で「コンビニプリントでA3に印刷してみたもの」を展示した反応を見ていて「やはりこれはやらねば!」と思い急遽アワード応募用のバージョンを作り始めて締め切り2日前になんとか完成させて応募しました。写真がうまく撮れなくて暗い印象になってしまい、さらに前回が応募総数280作品で第一次通過61作品の4倍強の競争率だっだということを知って自信をなくしつつあったのですが…ふたを開けてみると無事入選でとってもうれしいです。

応募した写真は下のようなものなのですけど、これは結局カメラの準備が間に合わなかったので携帯で取ったせいで、ホワイトバランスが悪くてかなり暗い感じになってしまっています。

実際の色は下のものに近いのですが、これはこれで原稿データを1/8に縮小する過程でだいぶ痛んでしまっています。もうちょっと作品をうまく見せる技術が必要ですね(^^;

入選したということで来週末に下の会場でグループ展を行うことになります。こちらへ来ていただければ実物を見ることができます。僕を含めた入選者60人の作品が一堂に会することになるので割と面白いかもしれません。

□ 期間:2009年6月20日(土)・6月21日(日) 11:00〜19:00 ※最終日は16:00まで
□ 会場:アートコンプレックスホール 地下ホール(東京都新宿区大京町12-9)


さて、このブログの読者には情報技術系の人が多いかと思うので、その文脈でこの作品の背景を解説しましょう。
再現性のないバグっていやですよね。 100 / 10 が「おおむね10、ところにより11」とかいやですよね。あうべきものがきっちりあわないのはいやですよね。x + y が10なのに y + x が9.9609375とかやめてほしいですよね。同じ作業を人間が繰り返すのはいやですよね。DRY(Don't repeat yourself)の原則ですよね。繰り返し作業はコンピュータの方が得意なのだからコンピュータにまかせて、人間は「何を繰り返すべきか」というよりhigh levelな指示を考える方に専念したいですよね。


プログラマにはプログラマの「美学」とでも言うべき考え方があり、みんな自分の美学にしたがって「美しい」コードを創り出しているわけです。しかしその「美しさ」は非プログラマにはあまり理解されてません。そりゃそうです。コードという自分たちだけに理解できるメディアで表現しているのですもの。あなたがもし紫外線の見える生物だったとして、紫外線で美しい絵を描いたとしても、大部分の人類は理解できません。それが美しいと思うのであれば、言葉で「これは美しいんだ」と言うだけではなく、多少表現を犠牲にしてでも僕らに見える可視光領域に持ち込んでほしいわけです。逆も同じじゃないんでしょうか。僕が愛する厳密さ、対称性、規則正しさ、そういうものを「美しい」と感じるということを、プログラマ以外にもわかりやすい例えば2次元の物理的な物体という形で表現するべきなのではないでしょうか。


もちろん、現時点ではまだまだ作品の完成度は高くないと思っています。でも、上で書いた「設計指針」があなたの関心を引いて、この設計指針で僕にもっと作らせてみたいと思わせたのなら、ぜひこちらの投票ページからVirtual Starで検索して投票ボタンを押してもらえるとありがたいです。励みになります。

よろしくお願いします。


追記:もちろん投票ページに飛んで、そこでもっといい作品を見つけたのならそれに投票してもいいんですよ。よいものは正当に評価されるべき。「あなたの美学」にしたがってどれに投票するか選んでくださいね。


追記:そうだ、背景の解説だけで肝心の作品の解説が抜けている(^^;
Virtual Starという名前は、人間の目には星が見えるけども実際には円だけで表現されているってところから来ています。直線状のものがいっぱいあるように見えますけど、実際には全部円だけで構成されています。中心の一番大きい円のまわりに5個の円が配置され、その円のまわりに同じように再帰的に円が配置されているわけなのですが、この「子の円が置かれる距離の親の円の直径に対する比」と「子の円の直径に対する親の円の直径の比」が両方黄金比になっています。黄金比にするとこういう直線が出るわけです。逆に言うと黄金比以外では左下の円の右上の円と右下の円の左上の円が重ならないのでもっと大量に小さい円が出て黒くなってしまいます。適切な比を選んだことで孫円がぴったりと重なる現象が起きているわけです。