「数学を生み出す魔法のるつぼ」を読んだ

献本頂いた数学を生み出す魔法のるつぼ —実験数学への招待を読んだ。これは面白い。まず実験数学ってなんなのかピンと来ないけど、たとえばガウス素数の分布密度を調べてlogの逆数になることを発見したのが1792年の話。それから100年以上たってその近似式が正しいという証明がなされた。他にも数式はブログばえしないので省略するけども簡単な漸化式の収束する値と、とある積分の値が一致することを発見して、その理由を説明できなかったけども、19世紀になってから楕円モジュラー関数の理論につながっていっただとか。こういうのが実験数学だそうな。

リーマンが1859年にリーマン予想を発表した際、なぜその予想をしたかは論文に書かれていなかったのだけども、ゲッチンゲン大学に寄贈されたリーマンの使った計算用紙からは数値計算をして見つけ出したことが読み取れるとか。

Pythonを使い始めた頃に、上限のない整数があることに気をよくして、フィボナッチ数列でかつ平方数であるような数やフィボナッチ数列でかつ立方数であるような数を列挙してみようとしたことがあった。意外なことに、3番目が何時まで経っても出力されない。当時Mathworldで調べたときには書いていなかったのだけども、今見ると1989年に立方フィボナッチ数は2個しかないことが証明されたって書いてあるな。Fibonacci Number -- from Wolfram MathWorld

そんな感じで、実験で意外な結果を発見できるかも知れないのが実験数学なんだな。コンピュータができたことでとてもやりやすくなった。