Globalization is not a choice but a fact
何気なく隣の記事(東京は金融とか、そんな事は忘れましょう。 - Oh, you `re no (fun _ → more))を見てそこで引用されていた文章に吹いた。
「背伸びしてグローバル化したくない」だって!!
タイトルの「Globalization is not a choice but a fact(グローバリゼーションは選択肢ではなく、事実だ)」ってのはライス国務長官のダボス会議での発言なわけだが、かなり端的にグローバリゼーションに対する誤解を言い当てている。グローバリゼーションとは、インターネットの発明と、特にeコマースの発明が引き起こした社会構造の変化なんだ。つまりfactだ。個別の企業がグローバリゼーションを選択するとかしないとか言えるような選択肢ではない。
例を上げて説明しよう。たとえばあなたが食器メーカーで、今まで近くの飲食店に食器を卸してぼちぼちの利益をあげてたとする。別にグローバリゼーションなんか自分に関係ないし、今まで通りでいいや、と思っていたとする。しかしもしかするといま自分の顧客のカフェ店主はインターネットで北欧の聞いたこともないメーカーの食器を見て「こっちの方がいいな」と思っているかも知れない。毎年安定していた売上が、来年はいきなり半減するかも知れない。これがグローバリゼーションだ。あなたが「グローバリゼーションなんかしなくていいや」などと言って対策を取らないでいる間に世界の何処かの競合他社がコマを進めているかもしれない。あなたが何もしなくても、グローバリゼーションは止まらない。あなたが何もしないことで変化が止まるのではなく、あなたが変化に取り残されるだけだ。生命の歴史において、生き残るって来たのは一番強い生物ではない、一番変化に適応できた生物だ。変化に適応できなければティラノサウルスでも絶滅するんだ。
そういう話をしているのに「やだ、グローバリゼーションしたくない!」なんて言われたら「なに寝言いってるんだ、さっさと起きろ」と言いたくもなるだろうな。
もちろん、日本って国は極東の小さな島国の中だけで日本語を話す人間が1億人以上ひしめいているわけだから、日本人だけを相手にするビジネスもある程度はあるだろう。シンガポールは公用語が4つある国だったが、8割が中国人だからやっぱり中国人街の店員とかには英語の話せない人もいたよ。だから英語が話せないままでも、それなりに職はあるんじゃないのかな。だから、どーーしても英語を勉強したくないのであれば、英語を使わない職で生きていけばいい。どうしてもパソコンの操作が覚えたくないならパソコンを使わない仕事につけばいいだけなのと同じ。まあ。僕は僕の価値観で考えた結果、どう考えても英語を学ぶコストの方が学ばないことで引き受けるリスクよりも小さいだろ、と思うわけだが、そりゃあくまで僕の解釈なので同意できないなら同意しなくていいんじゃない?
Twitterから転載
あの記事を書いたモチベーションは「時流に疎い僕でもこれからの時代英語力は重要だろうと思って自主的に勉強しているというのに、会社から明示的にゴールを与えられても勉強しない人ってなんなの」であって「英語を学ぶの嫌なら転職しろよ」ではない。日本語でも伝わらない。
当社はこれからiPhoneアプリに命運をかけます!なのでObjCを勉強してください→いやです、でも転職もしません!→はぁ?という流れなら共感を得られるのに「英語」になると共感が得られないあたり日本人の英語コンプレックスは根強いなぁ。どう考えても英語のほうが活用しやすい知識なのに。
もう、価値観の違いとしかいいようがない。なんでそんなに英語を学ぶのが嫌なのかさっぱり理解できない。理解できないけど、まあ僕の人生じゃないし好きにすればいいんじゃない?
僕もあまり英語は得意ではない。若いうちにもっと英語を勉強すればよかったと思う。しかし、今後の人生の中で今が一番若いんだ。過去は変えられない。変えられるのは今からだ。僕は今そう考えている。