「徒弟制度」はやめてもいいんじゃないの

“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 大学院博士課程で中教審答申 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

そういうのお上が決めて全国で一斉にやるんじゃなくて、個々の大学が決められるようにしてバリエーションを増やして学生の選択肢を増やしたほうがいいと思うんだが、まあ大筋で「ひとりの指導教官に丸投げするのはリスキー」とか「複数の分野の視点を持つ方が良い」って点には賛同できる。ただ複数の教官がお互いに「あっちが教えるだろう」と思って結局生徒が指導されない状況ってのは避けなきゃいけないから「主指導教員」は決めるべきだと思うけどね。

「2位じゃだめなんですか?」という政治家の発言に多くの科学者が反発したかと思うが、そのとおり科学って業界は各専門分野ごとに1位の人にしかベネフィットがいかない業界なのだろう。ならばそこで生きて行くためには、他を圧倒する能力と努力で1位になるか、もしくは複数の分野の間にあるまだ誰も着手していないニッチを素早く見つけてそこを占有するかしかない。「鶏口となるも牛後となるなかれ」がとても似合う業界だ。複数の視野を持つことはサポートされてしかるべきだと思う。

ところで「博士課程修了者が民間企業で敬遠される傾向」っていう、まるで博士課程を取ったから敬遠されているかのような表現はどうかと思う。人生の限られた時間を科学に投下して、それでも牛後にしかなれなかった人が、経済界の尺度で測った場合に低い値になるというだけの話。