レバレッジメモ: テクノロジストの条件 プロローグ(1st draft)

テクノロジストの条件 (はじめて読むドラッカー (技術編))レバレッジメモ。前回のレバレッジメモ:イノベーションと企業家精神(1st draft)で大爆発して、今日やっと気づいたんだけど、ドラッカーは濃度がこすぎるので全部読んでから全部まとめてレバレッジメモを作ろうとすると作業量が多すぎて大変だ。だから1章ごとにレバレッジメモを作ればいいんじゃないか。というわけでこれはプロローグ部分だけ。

今日求められているものは知識の裏付けのもとに技能を習得し続ける者である。技能の基盤として理論を使えるものは無数に必要とされる。それは技能者というより、技術家、テクノロジストである。若者の中で最も聡明なものにこそ、知識に裏付けられた技能を使うテクノロジストとしての能力を持って欲しい。

テクノロジストはマネジメントすることを好まない。むしろそれぞれの世界で技術や科学の仕事をすることを好む。彼らはまた他人の仕事をマネジメントすることも好まない。得意でもない。その結果、テクノロジストでない人がテクノロジストをマネジメントすることが多くなっている。

近代の特質は、技術革命を意図して体系的に行うこと。それを行う社会的機関が近代企業

未知なるものをいかにして体系化するか。モダンの世界観とはデカルトのもの。全体は部分によって規定される。
未知なるものの体系化、未知なるものへの跳躍への方法論、その典型がメンデレーエフによる周期表の発見。彼は既知のものを体系化したわけではない。既知の元素に秩序をもたらすには、いかなる未知のものを想定しなければならないかを考えた。
小児ワクチンの開発もまた未知なるものの体系化にもとづくイノベーションだった←?

ワクチンの年表 - Wikipedia。どれのことだろう?

かつて変化は破局を意味した。
イノベーションにおける変化とは、目的意識を持って方向づけした活動。変化を恐れるプレモダンとも、変化を必然の進歩とするモダンとも違う。これら二つの見方は、変化を人間の力ではいかんともしがたいものとしていた。

秩序とはダイナミックに動く変化そのもの

産業人の役割をイノベーターだと見た最初の経済学者がカール・マルクス、しかし認めてしまったら必然の進歩のコンセプトが壊れてしまう。

カール・マルクス - Wikipedia。これって「マルクス歴史観に基づき、成熟した資本主義の社会では、下部構造にさまざまな矛盾や疎外が内包されており、これらの矛盾や疎外を契機として上部構造の変革をドラスティックに推し進める社会革命が必然的にやってくることを予言した」のことかな?

イノベーションは天才のヒラメキに代わるものではない。既知なるものの応用と洗練のための体系的な仕事を不要にするものでもない。これらの力を倍化する。
レミングのヒラメキによってペニシリンの殺菌力が発見された。ワックスマンによる未知なるものの体系化によって、生物現象についての理解と抗生物質による治療というイノベーションが生まれた。その間に10年を要した。しかしそのイノベーションの後は、抗生物質の体系的な発見とその効用、副作用の理論的な解明が可能になった。

セルマン・ワクスマン - Wikipedia「Waksman's team discovered several antibiotics, including actinomycin, clavacin, streptothricin, streptomycin, grisein, neomycin, fradicin, candicidin, candidin, and others.」
アイザック・アシモフの科学と発見の年表によれば、フレミングが例の有名な方法でペニシリンを発見したのが1928年、11年放置されて1939年にフローリーとチェインによって有効成分の単離がなされ(この3人は1945年ノーベル医学生理学賞)、同年デュポスにより土中の細菌も似たようなものを作ってるんじゃないかという研究からチロトリシンが発見され、翌1940年にその手法を大々的に使ってワクスマンがアクチノマイシンとストレプトマイシンを発見、その後もたくさんの抗生物質を発見し、それらのものに「抗生物質」という名前も与えた、という流れらしい。