知的労働者は生産手段を所有する

テクノロジストの条件 (はじめて読むドラッカー (技術編))第5章P.85

知的労働者は生産手段を所有する。頭の中にしまいこんだ知識は持ち運びできる。まさに生産手段を所有するからこそ、彼らの流動性は高い。

この一言がすごいなーと思った。つまり「労働者は生産手段を持たないので、生産手段を持つ会社(資本家)に労働力を売って対価を得る」というモデルが知的労働者に関しては成り立たないと言うことだ。

分裂勘違い君が無学歴、無職歴、無実力のニートが年収500万円の正社員になる方法で書いていた

知識は個人のものだから、「個人は会社の知識資産を合法的に横領できる」

というのは(表現の良し悪しはさておき)まさにこのことを指しているんだな。


さて、そこで問題になるのは、その資産価値をどうやって評価するのかだ。プログラマの採用とかではかなり前からこの問題が顕在化していて、Fizzbuzzを書かせてみるとか(Fizzbuzzも書けない人がプログラマとして応募するということが驚きだ)、幅優先探索の問題を書かせてみるとかいろいろな方法が提案されている。しかしそれらのテストよりよっぽど信頼性の高い、そしてやる人があんまりいないから強い差別化要因になるのが自作アプリのソースコード公開なんだな。

劇的ワンペーパーでも語られていたが、自分の価値は自分でアウトプットしなければならない。自分が何を出力できるのかと言うことを、実際に出力してみせなければならない。それがソースコードの公開なのか、ブログを書くことなのか、カンファレンスで話すことなのか、雑誌記事を書くことなのかは人それぞれかと思うが、とにかく何かを出力しなければいけないのだ。