勉強会の問題の典型例

カーネル読書会のこと - 未来のいつか/hyoshiokの日記。吉岡さんが書かれているとおり、会場の調達コストが高くなったことによる勉強会頻度低下は「勉強会の問題の典型例」ですね。id:amachangとやっていた1000speakersも、最初はラボでやったのが諸般の事情でできなくなってから苦しくなってやめてしまったのでした。

しかし「何が問題の本質なのか」に関して、僕はあの頃よりも若干認識が変わったように思います。そこでここに記録しておくことにします。

会場の確保は本質的にコストの掛かるものであって、その調達をどうするか計画するのも運営の仕事の一つです。しかし運良く会社が「会社の会議室予約システムであいている日時を抑えて、総務に何日にカーネル読書会をしますと知らせるだけ」という低コストで供給してくれていました。会社には土地代や電気代・空調代で数万〜十数万のコストがかかっている。会社はこれを無償で提供してくれていました。

状況が変った。今でももろもろのものを無償で提供してくれていますが、若干手続きが面倒になりました。遅刻に対処するコストが跳ね上がりました。

状況がかわったにもかかわらず「かつての状況で実現できていた実績」を全て維持することを目的化してしまっていませんか?具体的には書かれていないけど「遅刻対応のために、受付、エレベータ係などを配置するコストも発生する」が2名を1時間拘束するのだとしたら時給が2000円だとして4000円のコストがかかっているわけですよね。そのコストを支払ってまで「遅刻しても入れる」という対応を維持すべきなのか?それが「カーネル読書会」にとって大切なのか?得たいものなのか?

その他もろもろの「かつては簡単にできていたけども、今はコストが跳ね上がっていること」を無批判に「現状維持」していることが高コストの原因に見えます。得たいものがなんであったのかを再確認して、コストの割にリターンの少ないものを廃棄すべきではないですか?

問題の大部分は、会場調達を会社にフリーライドせずに自分たちでお金を出して専門の会社にアウトソースすれば解決すると思います。80人入れる貸し会議室を調べてみたけど、4時間借りても1人あたり1000〜2000円くらい払えば足りるでしょう。その選択肢を取れないのは、吉岡さんが守りたい理想に「参加費無料」があるからでしょう。その理想は言語化されていないし、あの文章からも読み取りづらいです。だからはてブなどで「有償化すればいいじゃん」と突っ込まれるわけです。

まずはカーネル読書会が現在orかつて実現していたことを言語化してリストアップしてみてはどうでしょう。「参加費無料」「年に10回開催」「遅刻対応」「ビアバッシュ」などなど。その上で、これらを全て維持することはできないと認めて、いくつかを廃棄するしかないでしょう。


  • 会場の確保も資源調達計画という経営戦略の一環であり、それが差別化に繋がらないのであればアウトソースすることも検討すべき。
  • 古くなったものの廃棄をしなければ新しいことはできない