川喜田二郎の「発想法」

妻の本棚にあったので何気なく手にとってパラパラめくってみたのだが、つい「おおっ」とか声が出てしまった。マインドマップフォトリーディングに関心のある人ならぜひ読むべき。

各章の扉にはその章の話の流れがこんな感じで書いてある

マインドマップフォトリーディングが生まれる前に書かれた本なのだが、読んでいると「おお、これフォトリーディングのソフトフォーカスのことだよな」という部分があったりして面白い。

KJ法がカードに色々書いてからそれをまとめていくボトムアップの構造化法ってことはよく知られていると思うけど、その肝の「まとめる」部分の話、カードを広げて「読むというより眺める」「どこかでもいいから流し目で見ていればいい」「やがて(中略)お互いに親近感を覚える紙切れ同士が目についてくるだろう」と、まるっきりフォトリーディングで「読まずに眺めていると重要なキーワードが浮かび上がってくる」ってのとそっくり。

マインドマップトップダウンに構造化するのに比べて、KJ法ボトムアップに構造化するわけだが、この本ではトップダウンの構造化がなぜダメであるかに関しても結構書かれている。大雑把にいえば新しい発想は多くの人が思い込んでいる既成概念の分類構造では分割されてしまうような事実の間の関連性を見出すことから生まれるわけなので、収集した事実のカードを既成概念にそって分類したのでは意味がない、って感じのこと。もちろん「新しい発想」を目的とした場合に意味が無いという話であって、既存の概念だとか書籍に書かれた内容を理解するという目的ではマインドマップの方向性でも悪くはないだろう。そのへんを用途に応じて使い分けるべきなんだなー。