ゲームの面白さに関するブレスト from Twitter

ブレストにTwitterを使うメソッド。今日のお題はゲームの面白さについて。

もちろんゲームの面白さは主観であって人それぞれ違うのだけども、ゲームはそれぞれいくつかの成分を持っていて、その成分の多寡が人の好みにマッチしたときにそれをその人は「面白い」と感じる

囲碁的な読みの要素と、カードのドローのような運の要素のバランスが顕著な例。僕はおそらく読みの要素に強い親和性を持っているので、たとえばブロックスだとか囲碁だとかは大好き。一方で運の要素が多いようなゲームはあんまり。

一方で明らかに運の要素の強い「デスマーチ」が面白かったのは、基本生産力1のPGがEmacsFirebugを装備して生産力7になったりするなんていう「ストーリーテリング」の面白さだったのかなと思う。5W1HTRPGもストーリーや世界観の面白さなのかな。

クイズやしりとりの面白さは知識を競うといいう意味で競争。囲碁や将棋の面白さは読みの深さ、思考能力を競うという意味で競争。追いかけっこは身体能力を競う。多くのスポーツもプレイする側は身体能力や一瞬の状況判断能力などを競うのだろう。あんまり経験ないので知らない。

一方でスポーツを観戦する側の楽しみは何か。ストーリーテリングか?

世界観やフレーバーテキストの面白さをミミクリに入れるのは、ずいぶんとおおざっぱな分類だな、と思うがまあいいとしよう。カイヨワの分類を持ち出してそこで思考停止してはより細かい分類はできない。

で、まあ主に大人が室内で脳を使ってやるボードゲームやカードゲームなどに集中してもっと細かい分類を考える。

たとえばある多人数対戦ゲームを初めてプレイする人の勝率と、そのゲームに習熟した人の勝率が全く変わらない例を考えよう。たとえばジャンケンや交換とベット無しのポーカーはこれにとても近いはず。一方で将棋や囲碁では初めての人の勝率がほぼ0になる。

「習熟した人」の定義方法が未定だけども、この方法で「じゃんけん」と「囲碁」を区別する最もわかりやすい主成分軸に関しては主観をいれずに定量化できるはず。

僕があんまり認知できないのでよくわからないが世の中には「ブラフ」というものがあるらしい。ブラフができる状況というのはとても限られている。たとえば単に高得点を狙うだけのダーツにブラフの入る余地はない。囲碁でも、お互いに強いならばブラフの余地がない。

相手の手がブラフによって変化しうることがブラフの存在する前提条件。で、それは相手が「自分の打とうとしている手が最善手であることに自信がない」こと。運の要素でそういう状況になりやすいが本質的には運の要素と独立。単に確率計算を正確にできないレベルの人が手に自信を持てないだけ

囲碁でもお互い弱い場合にはブラフ的な「最善手ではないけど相手を混乱させる手」を打つね。特に相手が自分より弱くて、混乱した盤面にすると自分が有利な場合に。

ブラフに関しては、「ブラフをしない/ブラフをする」「相手がブラフしていると思う/思わない」で囚人のジレンマが発生するよね。本質的に「最善手であることを確信できない状況」を起こすデザインとしては三竦みなり囚人のジレンマなりを入れる方法がある。

そういうのをゲームに取り入れておくと、多少特定の手が強かったとしても(グーで勝ったときだけ勝利点が2倍だったとしても)ナッシュ均衡が移動するだけで吸収できてゲームを破綻させないということが知られているからよく取り入れられているんじゃないかと思う。

下家コントロールという言葉は、他のプレイヤーが合理的行動を取ると言う仮定の下で「自分がこういう行動をすれば下家はこういう行動をせざるをえまい」と下家の行動をコントロールすることかと思う。これは囲碁とかでも一般的で、例えば端をハネたら押さえてツイでツイで手番は先手のまま、とか

それを単なる読みと呼ばずに「下家コントロール」という言葉を使っているのは、主に3人以上で戦うゲームを想定しているのだろう。自分の意図通りに動く人が増えた方が有利。あと「下家コントロール」を下家が局面をコントロールする意味に使う人もいてどっちが正しいのか僕は知らない。

「ブラフや心理の読みが有効だとか思っているのは計算ができていないからで、まともにデータを取って計算すればそんなものはなくても勝てる」と麻雀について言っているのがとつげき東北という理解。

思考時間が足りない = プレイヤーの思考速度が足りない。探索なり計算なりを途中で打ち切るとしても、相手の意図みたいな観測できないものを判断基準に入れるのはそもそも間違いじゃないのか。「こういう局面ではこういう手がよい可能性が高い」のパターンマッチするべきじゃないか。

ごきぶりポーカーは多人数プレイで1人だけ敗者が決まるゲームなので、自分の戦略が有効であるかどうかを判断するには経験が少なすぎるが、少なくとも僕なら容易にコントロールできる発言内容なんか参考にはしないで瞬きとか無意識な手の動きなんかに注目をする。今のところ有効な法則は見つかってない

あー、あと普通にゴキブリポーカーをプレイすると僕はとても弱いので、嘘をつくかつかないかに関しては脳内で疑似乱数を計算してプレイしている。とカミングアウトすることで「こいつは読めない」と敬遠させると勝てるゲームでもあるな、あれは。あ、これがブラフかw

一人が勝者になるタイプだと、みんなが勝利に一番近い人の足をひっぱって、一人が敗者になるタイプだとみんなが敗北に一番近い人を殴る…。

そうそう、ゲームの競技としての要素に「短期記憶メモリの容量」があるよね。ドミニオンの初プレイは相手の勝利点を正確に記憶していなかったせいで勝てたのに見送ってしまった。カードカウンティングが有利なゲームはたくさんあるし。もっと直接的には神経衰弱なんてまさに記憶力勝負

ちなみに神経衰弱も両者が完全に最善手を取るならニム的な感じの戦略性が出てくるわけですが。僕はあんまり短期記憶はよくないのでそれ以前のレベルで勝てないのだけど。

仮にゴキブリポーカーを「同じカードを4枚そろえたら『勝ち』」ってルールに変えたらどうなるんだろう。

ゴキブリポーカーは攻撃することが自分と対象の場に1/2の確率でそのカードを出すことになるわけだから、当然自分と相手の差が最も多いカードを出すのが合理的。ただそれをやるとカードがバレてしまうので1/2の確率って前提が崩れる。なので攻撃によいカード上位2つを選んで、1/2の確率でそのどちらかを出して、1/2の確率でそのどちらかの名前を言えばいいんじゃないのか。そうすると相手は推理のしようがない。

ゴキブリポーカーの「もっとも叩くべき人」はプレイヤーによって異なるな。たとえば極端な例として自分がゴキ3, Xさんがゴキ3, YさんとZさんがハエ3だったら自分はYかZを叩くし、Zは自分かXを叩くのが合理的。ただカードの少ない人を叩くべきケースは思いつかない

まとめ。
ゲームプレイヤーに要求される能力: 囲碁的読み能力、短期記憶力、話術(他プレイヤーの煽動能力, ブラフ)、自信(ブラフ耐性)
ゲームの要素: 能力競争、運、世界観
世界観をミミクリに入れるなら、屋内ゲームということであんまり注目されていないイリンクスを足せばまったくカイヨワの分類と同じになるなー。