続・円の価値

以前の記事「円の価値」の続編。プラザ合意という言葉は聞いたことがあったけど、それがこの問題にどう影響するのかとかがさっぱりわからなかったので色々調べてみました。thanks id:kaorun, id:kazuho, id:atsuoishimoto

新円切り替えとか財産税とか知らなかった。29歳の僕にとっては昔の話だけど、80歳近い祖父は自分が20代の時にこれを経験しているんだなぁ。

まとめると、新円切り替えの時期を外して1970頃からで計算しても株価は7倍、金は5.6倍、物価は3倍になっている。金は1878年まで輸入が自由化されてなかったり、80年に史上最高値を付けて2008年まで同水準に戻らなかったりしてるから比較対象としてはどうかなーと思う。アメリカ物価指数は5.5倍になっているので、日本と比べると1.83倍。1ドルは360円だったので4倍安くなっているわけなのでインフレ率の差だけでは説明しきれないな。

1897
日本が金本位制に移行
1917
WW1に伴うイギリスの金輸出停止に各国が追随して金本位制が機能停止。日本でも金の輸出が禁止される。
1925
日本での金小売価格1.73円/g
1944
ブレトン・ウッズ協定「金1オンスを35USドルと定め、そのドルに対し各国通貨の交換比率を定めた(金本位制)。日本円は1ドル=360円」金1オンスは31.1035g ref.トロイオンス 計算すると金1gは405.1円
1945
IMF設立、日本での金小売価格4.80円/g。USDでの価格と80倍も違うのは金の輸出入が禁止されていたため。
1946
インフレ抑制のため新円切替。1946年2月16日夕刻発表、旧円は翌17日から強制的に銀行預金させ3月3日付けで旧円の市場流通差し止め、新円の引き出し額は1世帯・月あたり500円以内に制限。財産税法で財産に対して最大90%の課税。45年から47年で日本での金小売価格は4.8円/gから150円/gへ。消費者物価指数調査開始、平成17年を100として食品が16.6、光熱水道が29.0、保健医療が32.1(現在と項目が違うので総合の指数はなし)
1950
日本での金小売価格401円/g
1958
初の一万円札発行
1968
東証株価指数発表開始。1968-01-04時点の株価を100とする指数。
1970
消費者物価指数、総合で32.5。日本での金小売価格は690円/g。アメリ消費者物価指数(CPI)、All itemで38.8。
1971-08
ベトナム戦争などで疲弊したアメリカ経済がニクソン・ショック。ドルと金の交換停止
1971-12
通貨の多国間調整(金1オンス=35ドル→38ドル、1ドル=360円→308円に切り上げ)と固定相場制の維持が行われたが、このスミソニアン体制は長続きせず
1973
変動相場制(キングストン体制)への移行。日本で金の輸出が自由化。金は73.3(3月)775円、高値1160円。翌1974年の安値1145円、平均で1598円。
1974, 1980
オイルショック公定歩合はインフレ抑制のため1974年頃と1980年頃に最高水準9%に。
1975
日本での金小売価格1616円/g
1978
日本で金の輸入も自由化
1980
金が史上最高値(2008年まで塗り替えられず) 1オンス850ドル、この年のドルは平均226.75円なのでグラム14822円。日本での小売価格は6495円。Why?
1985
プラザ合意「発表の翌日の1日(24時間)で、ドル円レートは1ドル235円から約20円下落した。1年後にはドルの価値はほぼ半減し、150円台で取引されるようになった」85年からの数年では金を分母にしたドルの価値は下がっているが円は逆に上がっている。期間を大きくとって1980〜1990にした場合、ドルは1.6倍に上がっているが円は2.5倍に上がっている。
1989-12-28
TOPIX最高値2884.80
2000
日本での金小売価格1014円/g。1975年からの複利に換算すると-4.5%
2009
アメリカCPI、All itemで214.537。1970年からの計算で5.5倍。
2010
年間平均で円ドルレートが初の80円台。TOPIX終値898.80。1968からで約9倍。日本での金小売価格は12-27時点で3889円/g、2000年からの複利に換算すると14%。

ref:

@atsuoishimoto:
@nishio 終戦直後の日本ではすさまじいインフレがあり、45年からIMFに加入した50年代までに物価が7〜8倍ぐらいにはなったようです。 http://goo.gl/7uBnL