つくりたいもの:原稿のレビューが手軽にできるシステム

最初のプロトタイプはだいぶ前にできていて、実際に自分の原稿のレビューにも使って見ている。デモ用のサイトは http://sphinxweb.rackbox.net/ ユーザ名とパスワードを聞かれるのでguest:guestで。 http://sphinxweb.rackbox.net/usage/ とかにアクセスすれば段落ごとにコメントを付けられることがわかるかと思う。

これは結城浩さんの書籍執筆とオンラインレビューを参考に作ったシステムで、その一番の特徴は「レビュワーは他のレビュワーのコメントを見ることができない」にある。モヒカン技術者のいっぱいいるチャットなりなんなりに燃料として原稿を投下すれば「これは厳密にはこうだ」「Xだと説明してあるが、極稀に起こるYのことに言及しないのはダメじゃないか?」などと盛り上がっていっぱいツッコミが入るだろうとは思う。でもそれをやっても「間違いのない本」にはなっても「わかりやすい本」にはならない。わかりやすくするために重要なのは「あまり詳しくない人の意見」だ。モヒカンコメントがあふれているとあまり詳しくない人は萎縮してしまう。「ここがわかりにくい」とか言えない。

もう一点、便利なところは、段落ごとにコメントをつけることができる点だ。自分がレビューをするときもそうだけど「どこについてのコメントか」を自然言語で説明するのはめんどくさい。「2章の〜って節の下から2番めの段落でXXって書いてあるけどXYじゃない?」とかめんどくさい。かと言って「XXはXYじゃない?」という楽な書き方をすると、今度はそれを適用する側が検索して探さないといけなくて、レビューコメントがつくまでの間に書き換わってたりすると見つからなくて大変。

だから最低限、各段落にはパーマリンクがあるべきなんだ。幸いSphinxにはそれを支援してくれる機能があるのでかなり手軽に作ることができる。

ここまでがプロトタイプVer.1の話。

ここからが本題の改善案。

まず、コメントを書いた人へのフィードバックがないのはよくない。コメントを書いた人が「本当に書けたのかな?」と不安になってしまう。「本当に著者に届いてるのかな?」とも不安になるだろう。

コメントを貰った際に通知がないのも良くない。僕が定期的にに「今までに付いたコメント一覧」を見てるんだけど、「んー、更新ないなー」と思ったりするとそのうち更新を見に行くの忘れたりとかしてしまう。でレビューコメントに返事をするのが遅れるんだよね。これもフィードバックを損ねてる。せっかくコメントを貰ったんだから、僕としてもすぐに返事を書いたりしたいわけだし。改善が必要。

この2点を解決するよい方法は「コメントをつけるとコメントをつけた人と著者を宛先にしてメール送信」なんじゃなかろうか。

次にアカウント周りについて。レビュワーさんに「このサイトでアカウントを作ってください」とか言うとめんどくさがられるかと思って、BASIC認証でいいや、ってことにしちゃったんだけども、これは失敗だった。結局「他人のコメントは見られない」という仕様のためにはユーザが識別されている必要があり、まあ当然ユーザ名とパスワードを僕が付けるハメになり、ユーザさんは僕が勝手につけたパスワードを使うハメになる。忘れるよね。

レビュワー登録のためのページにBASIC認証がかかっていて、僕はレビュワーさんに「このページで名前・メアド・パスワードを登録してください」とメールやSkypeで送信し、アカウントが作られるとその旨が通知される、という仕組みにするべきなのかな。

どうすればレビュワーも著者も両方ストレスを感じないシステムになるだろう?