仕事を中国に“アウトソーシング”は頭がいいか

自分の仕事を無断で中国に“アウトソーシング”していた従業員」が頭がいいとかなんとか話題になってたけど、給与水準の異なる国にアウトソースすることのメリットは8ヶ月前に発表した(アイデアを塩漬けにしない-世界中の人に手伝ってもらう方法-)し、会社の仕事を全部アウトソースすることのデメリットについても既に書いた(Yoshioriの質問に対する解答)ので、僕にとっては今更感が強い。


で、仕事を中国にアウトソースした彼が頭がいいのかどうか、という話。無断で会社のVPNに接続させてただって?アホとしか言いようがない。全部丸投げ?問題にならないように切り分ける能力が欠如してたとしか思えない。いくらでも方法はあるのに。

具体的な戦術は、具体的な状況に依存するが、もちろん「上司を説得する」という方法もありだし「将来必要になるコードを事前にオープンソースプロジェクトとして作らせておく」だの「サードパーティライブラリにある自分にとって重要度の高いバグを直させる」だの「フレームワークの使い方のノウハウを溜めるために業務と無関係な、しかし流用できるところのたくさんある別のプロジェクトをさせる」だの、色々選択肢はある。

その中で僕が一番お気に入りなのが「副業を投げる」というもの。業務にそもそも関係ないから切り分けを考える必要がない。切り分けを考えるのにも頭を使うからね。で、それを実践したのが件の発表中で紹介したプロジェクトなのだ。このプロジェクトがきっかけで、カナダの某社からコンタクトがあって、現在別のプロジェクトが進んでいる。

だからね、重要なことなので繰り返しておくと、アウトソースは賢いが、それを会社に損害を与えるような方法でやるのはアホだ。そんなアホでも個人でアウトソース出来る恐ろしい時代なんだ、今は。