日本におけるスペインかぜの精密分析

日本におけるスペインかぜの精密分析
http://www.tokyo-eiken.go.jp/SAGE/SAGE2005/sage.html

2.スペインかぜによる死亡者の年齢分布
 1899年から1943年までのインフルエンザ死亡者の世代マップを図2に示した.1917-19年と1920-22年はスペインかぜの影響を大きく受け,いずれの年齢領域でも他の暦年に比して死亡者数が大きくなっている.また,いずれの期間においても死亡者の中で大きな比重を占めているのは0-2歳の乳幼児である.
 世代マップを詳細にみると,男子では1917-19年においては21-23歳の年齢域で大きなピークを示したが,1920-22年には33-35歳の年齢域でピークを示している.男子では1917-19年と1920-22年との両期間で年齢ピークの位置が異なっているのに対し,女子ではいずれの期間においても24-26歳の年齢域でピークを示している.また,女子のピークが男子に比して高いことも特筆に値する.

ピークの位置に注目するとピークが異なるとか言いたくなるのもわかるけど、実際のグラフを見るとようするに20代〜30代の死亡者が多いということですな。
あと、死亡者数でグラフにしないで死亡率でグラフにして欲しかったなぁ。

1920年人口ピラミッド。当時の日本は典型的な「ピラミッド状」だったようだ。
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/kouhou/useful/u01_z01.htm
ということは「20〜30代の死亡者が多いのは単に母数が多かったから」とは言えないってことですな。例えば10代に比べてそのくらいの年の人の方が行動範囲が広くて感染しやすかったとか…(大正7年だと16〜18でも働いている人が多そうな気がする…)、もしくは昨日のサイトカインストームの記事に書いたようなことが原因で20〜30代の死亡率が高いとか。