ごきぶりポーカーは「手札が全部なくなったら勝ち」にすべき

ごきぶりポーカーのオリジナルのルール「手札が全部なくなったら負け」がいかにおかしいかをまず解説する。

4人程度のプレイで最初に始める人をX、Xが最初に攻撃に成功した人をYとする。1回目の攻撃で失敗した場合、その後Yへの攻撃に成功してYが攻撃をするターンで、Yは「すでに場にカードが出ているX」が一番負けに近いのでXを攻めるのが最善手。1回目の攻撃で失敗しなかった場合、YはXを攻撃するのと別の例えばZを攻撃するのとどっちが最善手かわかりにくいが、Xの方が1枚手札が減っている分だけ負けに近い。よってXを叩くのが最善手。つまりどっちにしてもYはXに報復攻撃をする。そしてXの攻撃フェーズ、カードの枚数が減って場にもカードの出ているYと無傷のZのどちらを叩く方がいいか、自明。XはまたYを攻撃する。万が一最善手をどちらかがとらなくてZを叩いたとしよう。Zはもちろん4人目の無傷なWではなくすでに傷を負っているXかYを攻撃するのがよい。

つまりオリジナルルールではまともにプレイすると最初に攻撃をスタートしたXと、最初にXに泥を付けられたYとの殴り合いになるだけで他の人の存在意義がない。次に「手札が全部なくなったら勝ち」ルールについて考える。

Xの攻撃が1回目で成功した場合、Yは「無傷で手札が1枚減っているX」と「無傷で手札の減っていないZ」ではZを攻めるのが最善手。Xの攻撃が何回か失敗してXの場にカードAが1枚だけ出ている場合、Xの心理としては「何かカードを渡されてAだと言われたら、それにNoと言って本当にAだったら傷が深くなる。Yesって言っておいて別のカードだったら取らされはするけどそんなに痛くはないし、自分の手札も一枚減るからさほど悪くない」と考える。一方A以外、たとえばBと言われた場合には、Yesと言ってB以外のカード例えばAを渡されるのは嫌だけど、Noと言ってBを押し付けられるのはさほど問題ではない。なのでNoと言う。というわけでYが渡すならA以外のカードを渡してAと言うかそのカードを正直に言うか、になる。しかしXもYがそう考えるであろうことは知っているので逆に答えるかもしれないし、そもそもXにBを押し付けることは正しいのか?より一般的に「Xに『Xの負けまでの枚数が減らないカード』を押し付けることは正しいのか?」にすると、必ずしもそうではない。たとえばXの場にAA BB CC DD EE FF GG H でXの残り手札が2枚だとしよう。4人プレイだと一人当たり16枚だから全然おかしいことじゃない。ここでHを押し付けるプレイは、Xが負ける可能性を消してしまうよね。次にA~Gのどれを押し付けてもその時点でXは手札がなくなって勝利する。この場合は可能性が0になるのでわかりやすいが、例えば残りが3枚だったとしてもHを押し付けるプレイはない。なぜかというと残り2枚でしとめないと行けなくなるのでその次に押し付けたカードがAなら最後に押し付けるカードもAでなければ勝てなくて、それがわかっているのでXは当然Aを受け取らないで済む回答をする。残り手札が4枚だったら、Hを押し付けてもAとBの二択に持ち込めるから悪くないのかな。

まあ残りカードの余裕具合とかから見て上のシチュエーションならXにBを押し付けてかまわないと思うのだが。とまあこんな感じで「手札がなくなったら勝ち」ルールの方が圧倒的に面白い。