ポモドーロ始めました

最近まわりで実践している人が多いので「アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門」を買ってみた。

一番目立つ特徴はキッチンタイマーを使って時間を区切ることで一定時間集中するって所だろうけど、まあこれは昔から知的生産性の向上に興味のある人にとっては目新しい話じゃないよね。1992年発行の知的生産性向上システムDIPS(ディップス)でも言及されているくらい昔からある発想だ。

他にも本書には他にも昔からよく知られているいろいろなテクニックが入っている。

  • タスクレビューが重要
  • やることのコミットメントが重要
  • PDCAサイクル
  • 大きすぎるタスクは分割せねばならない
  • タスクに掛かる時間を見積もること、見積が正確であったかどうかのチェックをして見積能力を鍛えること
  • タスクリストが長くなりすぎると見るだけでやる気がなくなってしまう、短く保たねば

などなど。

しかしこういうことを頭で知ってはいるのに、全然実践できなかった人間がここに1人いるわけだ!だってタスクを分割しろって言うけどどういうタスクをどう分割するのさ!何をプランして何をチェックするのさ!

この本のいいところは、これらの枯れた技術を取り込んで、導入コストの低いパッケージにまとめたところだ。行きの電車の中でざっと眺めて、とりあえず「25分のタイマーをセットする」ってのだけ採用して、実際に仕事で使ってみた。明日も使ってみよう、と思っている。2週間くらいは勝手にカスタマイズしないで型に慣れるといいって書いてあるから2週間くらいたってからもう一度レビューを書いたほうがいいかも。今日始めたばっかりだからあんまり色々書けない。

「25分間バスに乗っている間に読書をする」という活動がとても集中できるのはなぜか、という話が出てくる。以前同じことを考えたことがある。電車内プログラミングの生産性が高いのは何故かに関する考察。本書は「タイムボックス」という言葉を使ってこれを表現している。一つの目標のために一つの活動だけをする一塊の時間=1ポモドーロ。で、バスに乗っていない時でも25分のタイマーを使ってこういう状況を作り出すわけだ。簡単。

でもここで重要なことは「25分間集中しなければそのポモドーロは破棄」というルールだ。他人からの割り込みや自分の気が散ったことで別のことを始めてしまうことってよくあるんだけど、普段自覚してないんだ。今日やったポモドーロでは予期しない解決方法の分からないエラーが起きたときに「ああーっ、もうっ」と立ち上がってトイレに行こうとする自分に気がついた。今まできっとこういう状態になるたびにトイレに行ってたんだと思う。自覚していなかった。いつもだとここでトイレに行って、ついでに帰りにお茶をくんできたりするわけだが、それをやるとこのポモドーロは「集中に失敗したから破棄」になる。それを思い出して腰を下ろしてタイマーが鳴るまで続きの作業をした。

人間以外と気が散るもんだ。今これを書いているときにも、少し空腹感がしたので朝御飯用に買ったパンの袋を開けてしまった。そして「気がそれてポモドーロをダメにしそうな自分」に気がついてブログ執筆に戻った。PDCAサイクルの話が後半で出てくるけども、自分で計画したポモドーロにたいして、自分のせい(内部割り込み)で集中できなかったことが何回あったか、他人からの割り込みで破棄されたのがいくつあったか、自分は何ポモドーロでそのタスクを完成できると思ったか、実際には何ポモドーロかかったか。そういう値を25分単位で集計することで自分の生産性を理解してカイゼンにつなげるのだ。

おーいま25分のアラームが鳴った。24時頃帰ってきてやる気が出なくてだらだらして、生産的なことができそうにないからもう寝ようかなーと思っていた僕がこのレビュー記事を書いたのは25分タイマーのおかげである。書きそこねたキーワードをメモしておいて次回は盛り込もう: 定期的な休憩・タスクから離れて全体像を俯瞰すること。自分の限界を知ること。8時間労働するとして一日に16ポモドーロ出来るかっていうとできない。集中力が途切れたり割り込まれたりする。それでよい。