リーンキャンバス:レバレッジメモ

リーンキャンバスに関するレバレッジメモ

■ビジネスモデルの仮説検証のためのリーンキャンバス

仮説を立てる際に、WHAT、WHO、HOWで考えている。

  • 1: WHAT: 問題
    • 自分が解こうとしている問題は何か
  • 2: WHO: 顧客
    • 誰がその問題を抱えているのか
  • 3: HOW: 製品/市場
    • どうやってその問題を解くのか
    • 市場はどれくらい大きいのか(how big)
    • どうやって顧客にリーチするつもりか
    • どうやって需要をかきたてるのか
    • どうやってお金を儲けるのか

リーンキャンバスに書いていく順番(筆者の好きなもの)

  • 1: Problem: 問題: 解こうとしている問題トップ3
  • 2: Customer Segment: 顧客: 誰が顧客か?それをもっと細かく分割できるか?もし複数のセグメントがあるなら、それぞれについてキャンバスを作るのがオススメ。
  • 3: Unique Value Proposition: 価値提案: なにが顧客に「お、それいいね、買おう」と思わせるキャッチフレーズか
  • 4: Solution: 解決: 3をデモする上でのMVPは何か
  • 5: Key Activity*1: 計測対象: ユーザが取る、収入や再訪問につながるアクションの中で最も重要なものは何か?たとえばブログプラットフォームをビジネスにしているなら、ブログの投稿はキーアクティビティでありえる。
  • 6: Channels: 広報・販路: 顧客にリーチするために使える、有料と無料のチャンネル
  • 7: Cost Structure: 支出: 固定費や変動費を全部書出せ
  • 8: Revenue Stream: 収入: どうやって収入を得るのかを明確化。購読?広告?フリーミアム?それから顧客の生涯価値、粗利益、損益分岐点について概算する。
  • 9: Unfair Advantage: 参入障壁: このビジネスの他人に真似できないポイント。これは埋めることが難しいので最初は空白でもいいが、これがないビジネスはいずれ模倣者が参入して苦しくなる。ここを埋めるための努力をする。


参入障壁のないビジネスは成功してもレッドオーシャン化して利益が出ないというわけですな。

■なぜリーンキャンバスがよいのか?

Business Model Canvasを試して、気に入らないところを直したのがリーンキャンバス。

リーンキャンバスを作る目的は、何が最も不確実なことかを把握すること。

オリジナルのBusiness Model Canvasから4つ交換した。

追加したもの(問題、解決、計測対象、参入障壁)

問題: 問題の理解が重要。大部分のスタートアップは作ろうとしたものが作れなくて失敗するのではない。間違ったものを作って時間と金を無駄にして失敗する。

解決: 問題を理解してから解決策を考える。解決策に情熱をかけすぎたり、一つ目の案に惚れ込んだりしがちなので、あえて意図的に箱を小さくした。実用最小限に。

計測対象: スタートアップは不確実性を何とか理解しようとして数字の海に溺れがち。スタートアップは1つの数値にしかフォーカスできない。だから何を無視するか決めねばならない。

参入障壁: 初日からこれを持っているスタートアップはほとんどいない。だから空欄でよい。作ろう・見つけようと努力すること。スタートアップが成功したら模倣者が出ることは不可避だ。

取り除いたもの(Key Activities, Key Resources, Customer Relationships, Key Partners)

KA/KR: これは外からの視点だ。

KA: 実用最小限製品の検証をすればKAは「解決」から派生してくる。

KR: 昔と違って、製品づくりのボトルネックは物理的リソースではない。KRは参入障壁になるが、参入障壁はKRであるとは限らない。

CR: Channels(広報・販路)に含まれる

KP: 最も取り除くのが難しかったのがこれ。パートナーが重要な業種ももちろんある。だが大部分は違う。見知らぬスタートアップが実績のない製品を持って、初日からパートナー探しをするのは時間の無駄。

Q&A

Q:「問題」と「価値」の違いは?

A:「問題」は顧客が直面している問題だ。「価値」はマーケティング上の約束だ。「価値」は「問題」と「解決」が交差したところから生まれてくる。
求職者にとって問題は「よい企業の目に止まりたい」、それに対する解決が「カッコイイ履歴書テンプレート」、価値が「60日以内に夢の仕事をGET!」


Q:「競合」はないの?

A: いわゆる競合の定義には興味が無い。真の競合はあなたが競合だと考えるものではなく、顧客が競合だと考えるもの。(僕はこれを見て「タクシーの競合は電車ではなく漫画喫茶だった」を思い出した。終電を逃したという問題の解決策としてタクシーと顧客を奪い合っているのは漫画喫茶)


Q:「価値」と「参入障壁」の違いは?

A:価値は顧客の注目を集めるためのもの。参入障壁は模倣をさせないためのもの。


その他
A: 1ページにまとまっていることが重要なんだよ。
A: 問題を理解することが大事なんだよ。


最後の方は質問側を訳す気が起きなくなってきたので割愛。

参考文献

Why Lean Canvas?
http://www.ashmaurya.com/2012/02/why-lean-canvas/
Lean Startup Canvas for Business Model Hypotheses Validation
http://www.ashmaurya.com/2010/08/businessmodelcanvas/

*1:後にKey Metricsに変わる