「道具にこだわるエンジニアは無能」なのか?

プログラミング作業を将棋に例えてみる - Yamashiro0217の日記

「考える負担を減らすことが重要」という点は、先日公開した講義資料でも強調したところ。人間は自分の能力を高めるために道具や言語や方法論を作り出してきたんだ。方向性は正しいはず。


一方でこのエントリーへの反論:道具に拘るエンジニアはだいたい無能

Googleなどの世界的な企業で活躍する、畏敬する人々は得意な道具こそあれ道具の差や環境の差で、パフォーマンスが落ちたりしない

「得意な道具こそあれ、道具の差でパフォーマンスが落ちたりしない」えっ、あなたの言う「得意な道具」ってのはそれを使ってない時とパフォーマンスが変わらないような代物なの?


彼の言いたかったことは「すごい人は、得意でない道具を使っている時でもパフォーマンスが高い」なのかな。だとすると何と比べて『高い』と言ってるのだろう?彼は「道具にこだわっているけどパフォーマンスの低いエンジニア」を脳内に思い浮かべているのかなぁ。

でもそれってバイアスが入っているよね。道具のこだわりばかりをアピールする人ってのは、彼がアピールできることが「道具にこだわっていること」しかない、つまり成果を出せていない人なわけだ。成果を出している人なら成果のアピールに重点をおくもんね。だから「道具にこだわっていて、成果の出てないエンジニア」の観測は「道具にこだわっていて、成果の出ているエンジニア」より容易というバイアスがある。

というわけで彼の主張する「道具に拘るエンジニアはだいたい無能」は「道具へのこだわりしかアピールポイントのないエンジニアはだいたい無能」とするのが適切なように思う。


彼の主張には反対したけど、気持ちはわかる。取材とかで「どんなキーボードを使っているか見せてください」とか言われるけど、僕キーボードには大したこだわりがないんだよなぁ、せいぜい英字なくらいで。高校の時からThinkpadを使っていてあのキーボードとトラックポイントが大好きだったのだけども、レノボになった時にMacBookに乗り換えて特に支障を感じていないし。「エンジニアは道具にこだわって当然」みたいな風潮には抵抗を感じる。道具と言語と方法論のうち、目に見える道具のことばかり考えるのはバランスが悪いように思う。

さて、僕は長時間パイプ椅子に座っていると腰が痛くなる無能エンジニアなので、テンピュール PCシートウェッジクッションを紹介して筆を置かせていただきますね。