やる気の心理学を学んできた

やる気を出す方法、国立情報学研究所で科学的エビデンスに基づいて紹介してくれるイベントがあるらしいので申し込んだ! https://eventon.jp/2052/

昨日参加してきました。結構面白かったです。

個人的に一番刺さったのは、内発的動機を高める要因として「他人に教える」があるという話。過去10年の僕の行動を振り返ると、僕自身「他人に教える」ことでとてもモチベーションが高い状態に維持され続けていて、それはこういうことだったのかーと納得感がありました。後で講義資料がシェアされたら、元論文を読んでみようと思います。

質疑でも盛り上がったけど、そういう社会的報酬が「内発的動機」と呼ばれるのは、もう内発の定義ってなんだよ感がありますけどね。教えることが報酬になると、学ぶことが「確実ではないがたまに他人に教えたいと思えるネタに出会える営み」になるわけで、これってまさに間欠強化。一番強い条件付けですね。

あと、条件付き計画は今日からでもすぐ使えるテクニック。TODOリストって何も考えずに書くと「〜をする」とか書いてしまいがちだけど、これに条件を付けくわえるとタスクが実行される量が60%もアップする。前半で解説されてたタスクシュートの話も、ようは「この時間帯になったら何々をする」という条件付き計画の形になってるんだなぁと思いました。

ザイガルニック効果という言葉は今回初めて知ったのだけども、未完結のタスクは何度も記憶に浮かぶが、計画を立てると浮かばなくなるとのこと。タスクシュートなどで詳細な計画に落としてしえば考える必要がなくなるというのはそういうことか〜。

GTDなりでタスクを書きだすところまではよくやるのだけど「〜の原稿のために1ポモドーロ書き出し法をやる」とか書いて放置されていたりする。これは昔は「〜の原稿をやる」と書いていて、ありがちな「タスクの規模が大きすぎるので着手がおっくうになる」って現象が発生していた。それの改善策として「まず1ポモドーロ書き出し法をやれ」というタスクに刻んだ。これは自分のやる気システム(http://nhiro.org/yaruki/)から指示されたときには成功率が高いんだけど、TODOリストに書いちゃったときにはあんまり実行されない。この違いがなぜなのかいままでわからなかったけど、前者は要するに「今から1ポモドーロやれ」ということで後者は「いつか1ポモドーロやれ」ということだったのだなぁ。だからきっとタスクリストに書くべきなのは「明日の出社時の電車の中で書き出し法をやる」とかなのだろうなぁ。

タスクシュートに関しては「名前は聞いたことがある」程度で詳しいことは全然知らなかったのだけど、実践している人の話が聞けて面白かった。原則である「時間帯で分割する」が「条件付き計画」になっているわけだけど、計画を立てる系の方法はえてして計画を立てるコストが大きすぎて、そのタスク管理自体の最初の一歩が踏み出せない。1日のリストは140項目もあるらしいと聞いて、どうやって作るんだと質問してみたら、最初はまずはログを取ることから始まるのだそうだ。ログを取っているとそのうちにどういうタスクにはどの程度の時間がかかるかとかがわかってくるということらしい。

これは僕が実践しているポモドーロテクニックと同じ考え方。計測して管理する対象についてよりよく知ることで、よりよい計画が立てられるようになる。ポモドーロとタスクシュートの大きな違いは粒度だな。ポモドーロは25分単位で計測するがタスクシュートは分単位。分単位レコーディングは大変そうだけど、今までポモドーロの単位にならないので計測しないでスルーしていたタスク(歯磨きとか風呂とか)も計測してみるのはいいかもなぁ。自分が歯磨きにどれくらいの時間を掛けているかとか意外と把握していない。

1日の140個のリストのうち、過去ログをきちんと保管していると、変化があるのは20〜30個程度になって、それを計画するのに7分くらいでできるようになるらしい。

タスクシュート自体を今後自分が使うかどうかは疑問だけど、条件付き計画の一つの実装パターンとして興味深い。とりあえず「なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術」を読んでみることにする。